理不尽さから何を学ぶのか
2026/07/02
先日、京都芸術大学の
日本芸能史の講義を聴講しました。
今回のテーマは「衣裳」
松竹衣裳という会社で
つい先日まで社長をされていた
海老沢さんがお話をしてくださいました。
その中で語られたことは
衣装のことよりも、
その衣装を身につける
役者さんとの関係や苦労など。
役者さんが舞台映えするように
知恵を絞り、
スムーズに着替えができるように
導線を考え、
一緒に舞台を作っているという
心意気が伝わってきました。
その先の、舞台を観てくださる
お客様のことを考えながら
時には役者さんと対立したり
思いが通らず涙を飲んだり。
そんなお話を聞くと
一つ一つの衣裳がかけがえのないものだと
思えてきます。
小物なども含め10万点以上の衣裳を
管理するのは大変だと思いますが、
放置されているものはなく
全て把握されているのです。
そこにない衣裳でも、
誰がどの役でどんな衣裳を着たのか
というのを「つけ帳」というものに
記録しているそうです。
衣裳というお仕事は、
舞台で着る衣裳を作るだけでなく
どの役者がどんな衣裳を身につけると
見栄えがするのかを考えて制作し、
舞台では、着付けをして、
それを修繕、保管するところまで
一貫してされている、
本当に、最初から最後まで
全ての工程に関わっていることを
知りました。
講義の後、学生から
「いろいろと理不尽な思いも
されてきたとお聞きしましたが、
そんな気持ちを
どう乗り越えてこられたのか教えてください」
という質問がありました。
その質問に
「理不尽さから何を学ぶのか
ということが大事だと思います」
と答えていらっしゃいました。
その言葉を聞いたとき、
「理不尽な出来事をなくそう」
とするのではなく、
「そこから何を受け取るか」
という視点に、
はっとしました。
同じ出来事でも、
そこから何を見るかで、
人は成長できるのですね。
衣裳のプロフェッショナルとして
40年以上携わってこられた方だからの
お言葉でした。
舞台には、
「藤娘」の藤の柄の着物と
「菅原伝授手習鑑」寺子屋の段の
松王丸の衣裳(雪持松)が
飾られていました。
こんな近くで見られることはまずありません。
眼福でした。
明日はスーパー歌舞伎「もののけ姫」の初日
楽しみです。
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